機械学習によるオキナワモズク生産予測の作業開始

11月 27, 2019 モズク, モズクの話

機械学習によるオキナワモズク生産予測の作業開始

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参考文献のメーンは『Rによる機械学習』

 本日から、オキナワモズクの生産予測の作業に着手する。現在、沖縄県もずく養殖業振興協議会とNTTドコモはICTブイを本部漁協、勝連漁協沖のモズク養殖場へ設置し、水温データなどの収集を実施している。収集したデータを基に生産量との関係を調査する模様。一方、昨年、県は知念漁協沖モズク漁場で、ドローンからの画像情報を基に生産量の予測をしている。しかし、この実施研究の予測はわずか2カ月先である。2カ月先の予測なら、大きな低気圧などが直撃し、モズク網を弁滅に追い込むという非常に稀なケースが起きない限り、ほとんどの漁業関係者が正確に言い当てることができるだろう。

 そこで、筆者は、人工知能の一種である機械学習を利用し、1~10年先のオキナワモズク生産量を予測できないかと考えた。1~10年先のオキナワモズク生産量予測がある程度正確に分かれば、モズク養殖漁業者、1次加工業者、2次加工業者のすべての関係者が投資すべきか、シフトチェンジすべきか、撤退すべきかの戦略を構築し、それに合わせて戦術を展開することが可能となる。行き当たりばったりではなく、将来設計が強固なものになろう。

 なお、参考文献とし、brett Lantz『Rによる機械学習~12のステップで理解するR言語と機械学習の基礎理論と実装手法(㈱翔泳社、2017)をメーンに活用する。

 ところで、このサイトでも以前触れたが、オキナワモズク生産量予測をする場合、既知データの存在が最大の問題となるが、非常に残念な事に沖縄県には生産予測を前提にした既知データはほとんど存在しない。 

 ⓵オキナワモズク生産量、

 ⓶経営体数、

 この⓵、③のデータは、沖縄県もずく養殖業振興協議会調べて過去数十年分存在している。

 モズク養殖場の海水温については、生産量に非常に大きな影響を与えるが、スーパーモズク漁師・渡名喜盛二氏(前久米島漁協組合長)のように独自で過去のモズク養殖場の海水温データを取り、それを今期生産に活用している生産者は県内では他に聞いたことがなく、海水温データの活用は不可能かとも思っていた。しかし、気象庁の 「東シナ海南部の海域平均海面海水温」(年平均)

 ↓

東シナ海南部の海域平均海面水温(年平均)統計期間 1901〜2018年

が応用できよう。沖縄県のごく沿岸海域の水温が2カ月ごとにデータ化されていて、各漁協のモズク漁場水温がすべて同一だという難点があるが、筆者には、これ以上の詳しいデータは現在のところ見つけることはできない。

 つまり、漁協により、同じ年であっても、モズク生産量の増大、減少という違いはある。例えば不作年の2019年、全体生産量が目標値から25%減少し、勝連、知念、伊是名、宮古、八重山など主力のモズク生産漁協が不作となったが、恩納村、久米島、宜野座村漁協は目標生産量をはるかに上回る生産実績を示した。

 これらのことから、生産量に影響するのは、海水温だけではなく、苗床へ出す時期、本張りする時期、などの判断が大きく関係しているのではないかと推察される。

 モズク生産部会の「コミュニケーション力・意思伝達力」というカテゴリカルな面も生産量に影響しているだろう。この既知データは存在しないため、今回の予測には活用しない。

 さて、以上のことから、

 Y(オキナワモズク生産量予測Y)=aX(オキナワモズク経営体数)+bX2(海水温)+c(誤差)         式1

 

式1を仮定し、作業を進める。求めるべき変数はa、b、cである。(以降は次回につづく)

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