モズク養殖と漁協経営

12月 6, 2019 モズク, モズクの話

モズク養殖と漁協経営

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 事業利益黒字は恩納村、知念は15、16、久米島は15年黒字化

 まず、読者に謝らなければならない事がある。先の記事で、漁協経営の要点は、⓵モズク養殖に力を入れている、⓶そのモズクを系統で取り扱い、③加工事業をしている、━を挙げて、事業利益を挙げている漁協は、恩納村、知念、久米島の3漁協だと説明したが、違っていた。最新版の『沖縄県漁業協同組合の現況』(沖縄県漁協経営強化推進協議会、2017年11月)をみると、事業利益ベースで黒字化しているのは、恩納村(説明の通り変わらず)、那覇地区(泊魚市場LPPによる販売手数料が大きい、当期未処分損失金あり)、伊良部(当期未処分損失金9億2121万1千円あり)の3漁協で、うちモズク養殖、漁協の経済事業として力を入れているのは恩納村漁協のみである。

知念(2015、2016年は事業利益黒字)、久米島漁協(2015年は事業利益黒字)も漁協経営にモズク養殖は大きく貢献するのだが、先に説明したのは2010年くらいの状況から述べたもので、モズク養殖と漁協経営との関係は黒字化すると、しばらく継続するということを発見したため、先の記事では資料に当たらずにそのように書いてしまった。では、どうして知念、久米島はその後、状況に変化があったのか?

知念漁協の2015~2017年のモズク水揚量は4690、2747、2702トンで、2740トンを超える場合は事業利益ベースで黒字化する。3000~4000トンの扱い量では問題なく黒字化、2740ラインぎりぎりで黒字化するのでは、というように分析できる。なお、ここでは平均単価は考慮していない。

次に、久米島漁協の2015~2017年のモズク水揚量は1305、920、810トンで、事業利益は1300トンでは黒字化、920トン未満では赤字化している。モズク取扱量の黒字化ラインは930~1300トンだが、正確なトン数はさらなる分析が必要だ。

恩納村漁協の2015~2017年のモズク水揚量は508、330、397トンで県内モズク養殖漁協中中規模だが、全量漁協出荷で系統取引100%、主要取引業者2社、相場は県内一という特徴がある。事業利益も継続して黒字化が続いていおり、経営優良漁協である。

知念、久米島漁協の事業利益赤字化は同年のモズク生産量の少なさが原因で、黒字ラインを確保することを目標にすれば、漁協経営も安定しよう。漁協経営に占めるモズク養殖漁業の与える貢献度は非常に大きいことには変わりない。

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