最新データ解析による県内2次工業の市場規模は37億8000万円

上の図は、最新オキナワモズク生産量を基にした県内2次加工業の市場規模を推計したものである。2次加工業とは、ホクガン、マルキン海産、イトサン、沖縄フレッシュ、丸正物産、沖縄海星物産などの味付けカップモズクのような最終商品を製造する加工業者を指す。
まず、養殖モズク生産者(モズク養殖業)から直接全生産量の1割を自社で買い付ける。これが1519トンだ。次に、1次加工業者から残りもモズク(1次加工済み)を1次加工業生産量のうち2.5%を仕入れる。それが341.5トンだ。この2つの仕入れルートから合計1860.8トン購入する。この割合は先に説明したように筆者が2011年地域漁業学会で報告した研究成果を基にしている(注1)
さらに、養殖モズク業→2次加工業の原料投下対加工品生産額比率は6.78となることが明らかになている。
1860.8トン×6.78=12616.224トン 式1
今期のモズク原藻は1キロ当たり300円だったため、
式1×300円=37億8486万7200円
となった。
このことから、養殖モズク業生産額(45億5700万円)、1次加工業生産額(57億5002万2600円)と比較しても、養殖モズク生産量のわずか12.5%で37億8000万円を生産額を上げている2次加工業の経済的効率の良さがうかがいしれよう。
※注1 本誌編集長の上原政幸は「モズク養殖業分析用産業連関表の構築とその潜在市場の分析、並びに政策的含意の研究」を2011年執筆し、同年と、2013年の地域漁業学会(鹿児島大学で開催)で口頭発表した。